うたろぐ

twitterよりもうちょっと書きたいこと用

私はクズになりたい

空き地の草刈りを終えました。こうした軽作業をしていると、頭がいい感じに回ってきて、どうでもいいことを色々と考えます。散歩・ウォーキングをしている感じに近いですね。

刈っている雑草で目立つのは、ススキ、ヨモギ、クズなど、あとニンニクっぽい匂いのするニラみたいなやつ。

そしてセイタカアワダチソウ

このセイタカアワダチソウが調べてみるとなかなか面白いのです。

外来種で戦後一気に増えて猛威を振るい、日本に一大セイタカアワダチ帝国を築きました。その帝国の繁栄を支える大きな要因が2つあります。

1つは地下50cmまで根を伸ばすこと。ここまで深いところまで根を伸ばす在来種がなく、肥料独占。

もう1つはアレロパシー。根から他の植物の生長を阻害する化学物質を分泌します。

この2点、他の植物を駆逐しながら今まで使われなった豊富な肥料を財源に栄華を極めたセイタカアワダチ帝国ですが、かつて、4m前後まで隆々と伸びたセイタカアワダチが一色一面に広がる勇姿はあまりみかけなくなりました。最近は背も低くなり、ススキとちまちまバトルをしている印象。

このセイタカアワダチ帝国の衰退も、さきほどの帝国を支えた、根が深い、アレロパシーという2大要因が原因となっているのが面白いです。

まず、アレロパシー。この他の植物の生長を阻害する化学物質が、セイタカアワダチソウ自体にも効くらしく、ある密度を超えて群生すると自家中毒を起こして枯れる。なんかマヌケな話だなあと思いますが、業界独占状態の企業が自家中毒を起こして組織が腐敗していくとかありそうな話で、人間もセイタカアワダチ帝国を笑えません。

そして深いところの肥料も昔はモグラやミミズが土を混ぜっ返してくれましたが、最近は少なくなりましたので、数十年で食い尽くしてしまいます。仕方なく小型化。

ところで、植物には極相という状態がありまして、その地域の気候に合った長期間安定する状態のことです。日本だと、ミズナラ、ブナなどの陰樹林になるそうです。人の手が数十年入ってない山の感じでしょうか。足元もツタやクズが絡み合って、全然歩けない。進もうとすると、ナタとチェーンソーで重装備しないとダメな感じ。森ガールとかムリめな感じ。

多分森ガールがイメージする森ってもっと気温湿度が低いところの極相林なんでしょうね。頑張れば馬でも進めるくらいの。北欧とかがそうなのでしょうか。ハリウッドの日本ファンタジー映画で騎馬が颯爽と森を駆けるシーンとか見ると、どこのジャパンですか? と思います。

そして、そんな極相林にたどり着くと、セイタカアワダチソウの姿はありません。極相に遷移していく過程でしか存在できないというのが色々と示唆に富み、無理やり教訓を引き出せそうな気がします。一方、クズなんかは、空き地にも生えるし、多分極相の陰樹林にも普通に生えてそうです。

翻って、日本のメガバンク再編とか見てると、経済も極相に向かって安定を志向するのだろうなと思いますし、極相に向かうまでに猛威を振るうセイタカアワダチみたいな存在をどうやってやりすごせばいいのか。

結論としては、私はクズになって極相の日陰で生き残りたい。そうだ、みんなでクズになろうよ。クズサイコー。

といったところです。